「Zeitzeichnung」
「Rundgang」/デュッセルドルフ美術アカデミー、ドイツ
/1986年2月/ポリエステル樹脂、アクリル板、油彩

留学したデュッセルドルフ美術アカデミーの学年末展「Rundgang*」において、渡独後初めて発表したもので、透明なポリエステル樹脂をガラスに流して出来た不定形の限定面に、点描を行うことにより展開する作品。同様の作品をすでに日本で手がけていたが、美術アカデミーの建物の窓枠に合わせて制作された。ガラスのおもて面には赤色、うら面には緑色で点描されて、それぞれの移動の軌跡を空を背景に描いていく。

*「Rundgang」は、周回、巡回を意味するが、美術アカデミーにおいて学年末に開催される展覧会の呼称として定着している。平時、アトリエとして使用している部屋を空けて、学生の作品を展示する。日本のように貸画廊や申し込めば使える市民ギャラリーといった発表の場を持たないドイツでは、学生にとって重要な作品発表の機会であり、一般市民はもとより美術関係者の関心も高く、若手作家の才能を発掘する重要な機会にもなっている。

「Zeitzeichnung」-無限柱-
「Rundgang」/デュッセルドルフ美術アカデミー、ドイツ
/1987年2月/ポリエステル樹脂、アクリル板、油彩

写真は、美術アカデミーの中央階段ホールを設置場所として想定した模型写真と試作。透明なガラスの角柱の外側と内側でエポキシ樹脂を流して作られる不定形な限定面と、その表面に施された表裏2色の点描の軌跡が、互いにからみ合って2重螺旋のような構造を形成しながら天に向かって伸びて行くことになる。

「Zeitzeichnung」
「若い作家たち展」/ビュットゲン市立ギャラリー、ドイツ
/1987年7月/エポキシ樹脂、アクリル板、アクリル絵の具

デュッセルドルフ近郊の町ビュットゲン市庁舎1階にある市民ギャラリーで行なわれた企画展での出品作。出品作家は、毎年デュッセルドルフ美術アカデミーの学年末展「Rundgang」から選ばれている。前掲同様の透明樹脂を用いた点描による作品が、ギャラリーのロビー前面の窓ガラス4面に合わせて制作され、市に購入された。入り口を挟んでもう一方の窓ガラス4面にも展覧会終了後追加制作され、常設展示されている。

「Zeitzeichnung - 時の刻印 -」
サイズ:高 1,650 × 幅 2,490 × 厚 10 mm/1996年
素 材:アクリルガラス、エポキシ樹脂に油彩

「時の刻印」
サイズ:直径 340 mm/1996年
素 材:アクリルガラス、エポキシ樹脂に油彩

「時の刻印」
サイズ:直径 305 mm/1996
素 材:アクリルガラス、エポキシ樹脂に油彩